院長の歯科教室

2020.01.22更新

最近、抜歯の時期を設定することが重要と考えるようになりました。

勿論、残せる歯を残すのは大切です。では、何故、抜き時期が重要と考えるようになったかといいますと、在宅療養の寝たきりの状態の患者さんの場合、無理に残した歯の炎症が全身状態の悪化につながることがるからです。

「抜くべき時に抜いておいてくれれば・・・こんなことにならないのに・・・」ということが訪問の場ではあるのです。

在宅療養の患者さんでは、抜歯する場合、医科の先生と連絡を取りながらの抜歯となり全身状態悪化の危惧から歯科単独で行うことはありません。

訪問先のとある病院の看護師さんが私に言った事があります「先生!残っている歯でこんなに苦しむのなら、わたし!年を取ったら歯を全部抜いてもらおうかなー・・・」

 

医療法人社団医康会 ジェイエムビル歯科医院

野崎康弘

投稿者: ジェイエムビル歯科医院

2020.01.22更新

セカンドオピニオンです!

「この歯、本当に抜かなきゃいけないんですかねー!」とセカンドオピニオンの相談での患者さんです。

早速お口の中を拝見し、患者さんの許可を得てレントゲンを撮らせていただきました。

私の診断では、該当する歯は、残根(根っこだけの状態)でしかもかなり短くなっており「残念ながら抜歯です」とお伝えしたところ患者さんの顔が曇ってしまいました。shun

この患者さんは、この歯を残して欲しくて治療を始めるにあたって数件の歯医者に相談に行かれたそうです。そして、「残せます」との説明を受けた歯医者に3か月ほど通院中とのです。

そして、セカンドオピニオンで抜歯の診断を受けたそうで、正確には、私がサードオピニオンになります。

現在、根の中の治療中ですが、最近、治療のたびに痛みが出ていること、いつ治療が終わるのかわからず疑問に思うようになってきたとのことです。

色々な考え方があるかもしれませんが、私は「抜かなければならない歯を残すのは、治療ではない」と考えています。

皆さんは、どのように思いますか?

勿論「残せる可能性がある歯は、残しきるべき治療方針を」と考えています。

 

医療法人社団医康会 ジェイエムビル歯科医院

院長 野崎康弘

 

 

 

 

 

 

投稿者: ジェイエムビル歯科医院

2019.07.23更新

「食べる量が減ってしまい、かなり痩せてしまった利用者さんがいるので見てほしい」とあるケアマネージャーさんからの相談です。

患者さんは、ご高齢で脳梗塞の既往があり通院が難しい方です。

まず、ご自宅に訪問させていただき、状態の確認をしました。

入れ歯が破損していましたが、即日修理で対応ができましたので一安心です。

私の場合、訪問診療で治療を終えた後、よく行うのが食事のテストです。

実際に食事風景を見させていただき、上手く食べる事ができるかの確認をします。

この患者さんの場合、見た目はうまく咀嚼しているように見えるのですが、ほぼ顎が上下にしか動いておらず、横の動きがわずかしかありませんでした。

この場合、、噛んではいるものの、食べ物は左右にばらけてしまい、なかなか飲むことができなくなり溜め込みが起こります。

次に、舌の動きを確認します。

舌を前方に突き出してもらい(あかんべー状態)左右に動かすように指示をしますが、右には動くのですが、左にはあまり動きません。

これも、食物をお口の中で左右に移動することができず溜め込みの原因になります。

この状態では、嚥下の前の食塊(飲み込む前の食べ物が一塊になった状態)の形成ができませんので、飲み込むこともままなりません。

このように口腔機能が低下している場合、いかに良い入れ歯を入れようとも、上手く食べる事はできません。

患者さんのご家族には、お口の機能訓練(口腔リハビリ)が必要であることお話しさせていただきました。

私たち歯医者は、上手く食べる事が出来ない原因が、入れ歯にあるのか口腔機能にあるのか判断できなければなりません。clover

蔵前ジェイエムビル歯科医院

院長 野崎康弘

 

投稿者: ジェイエムビル歯科医院

2019.07.10更新

口内炎が治らないんです!en痛くはないのですが・・・神経のない歯のまわりです!疲れると大きくなり膿が出ます。他院で口内炎の塗り薬をもらったのですが半年くらい変わりません。」と知人から電話相談です。

(通常、電話での相談はお受けできませんのでご了承下さい。)

 

確定診断は、口腔内を診察しないと出来ませんので、後日、来院いただくことを条件として可能性がある原因を以下のようにお話ししました。

 

通常の口内炎ではなく根尖性歯周炎(神経を取った歯がかかる病気)で根の先に膿がたまり、それが歯茎を破って出てきている。

或いは、歯の根っこが割れてしまい、ひび割れ部分から感染を起こし同様の状態になっている。

いずれの状態も歯が原因なので、歯の根本治療をしないと治らないものである。

 

今回のケースでは、神経のない歯の周りとの事ですので、歯由来の病巣と推測されましたが、粘膜や舌など歯のない部分にできる口内炎様の病変については、

2週間以上たっても治らない場合、癌などの悪性腫瘍の可能性もありますので放置することは危険です。また、確定診断は、病理検査のみとなります。

治らない口内炎は、放置すると危険です。clover

蔵前 ジェイエムビル歯科医院

院長 野崎康弘

 

 

投稿者: ジェイエムビル歯科医院

2019.06.18更新

今回は、鑑別診断が難しい歯の痛みについてお話しします。

 

先日、次のような患者さんがお見えになりました。当方にメインテナンスに長年通われている方です。

患者さん「昨日の朝から、両側の奥歯が痛く頭痛もします・・・こめかみ辺りが痛くて・・・」

私「噛むと痛みますか?冷たいものとかしみますか?」

患者さん「いいえとにかく痛いんです!先月、定期検診したばかりなのに、短期間に虫歯になったて事ですかね・・・この銀歯が痛い感じです!外して見てもらえませんか!」

私「ちょっと待ってください!削った歯は、元に戻りません!見た目は虫歯はないので、レントゲンで確認させていただけますか?」

患者さん「お願いします」

レントゲンを見ながら

私「虫歯ではありませんね」

患者さん「・・・」

私「改めて伺いますが、しみるとか噛むと痛いわけではないのに歯が痛いという事ですよね」

患者さん「たぶん・・・」

私「もしかするとお仕事の忙しい時期ではありませんか?」

患者さん「ええ、徹夜の日もあります」

私「ストレスによる噛みしめによって、側頭筋(こめかみにある噛むときに使う筋肉)が疲労し、筋肉痛様の痛みが出ていると思われます。再度確認ですが、本当に歯が痛みますか?」

患者さん「んー・・・そういわれると自信がないな・・・」

私「痛みを緩和させるお薬を3日分処方しますので、様子を見てください。明日、痛みが変わらなければ、もう一度確認しますのでお見え下さい」

この患者さんは、1か月後のメインテナンスにお見えになり「翌日から、痛みはなくなり、その後は、問題ない」との事です。

 

鑑別診断の難しい一例ですclover

蔵前ジェイエムビル歯科医院

院長 野崎康弘

 

 

 

 

 

 

 

 

投稿者: ジェイエムビル歯科医院

2019.05.26更新

平成が令和に変わり新しい時代が始まりました。

そこで、改めて「歯科治療で変化したことは何か」を考えてみました。hand

インプラントなどの先端治療は周知のとおりですが、個人的に一番変わったのは「予防歯科」ではないかと思います。

私が歯科大を卒業したのが平成2年ですので、ほぼ平成と同時に歯科医師人生をスタートしたことになります。

平成2年当時は「歯医者は、痛くなったら行くところ」でフッ素塗布や歯石除去のためだけに来院される患者さんは、私が勤務した歯科医院では、ほぼいなかったように記憶しています。

「歯石がついているのでとりましょう!」と患者さんにお話ししたところ、「歯石をとりに来たわけではないので、虫歯だけ治して下さい。」と言われることもありました。namida

今では、考えられませんが・・・・

私が開業した平成8年頃になりますと、少数ではありますが「お子さんであればフッ素塗布」「大人であれば定期的な歯のクリーニング」と来院される方がありました。

現在では「フッ素塗布」「定期健診」は、当たり前となり多くの患者さんがお見え人るようになりました。それに伴い、患者さんのお口の中も大きく変わり、30年前では、考えられないほど虫歯の数も減り、入れ歯になっている方も少なくなりました。当時、珍しかった8020(80歳で20本の歯がある)の達成者は、自院のある台東区では50%超となっています。

次に「予防といえる??」なお話です。

今では、歯科医同士でもほとんど使われなくなったと思われる文言に「予防拡大」なるものがあります。

皆さん、「なんだと思いますか?」

「予防を世に広めること?それは良いことかな・・・」と思われるかもしれませんが

「予防拡大」とは、歯の溝にできた虫歯は、小さくても溝全体に広がってしまう可能性があるので「予め虫歯になっていない歯の溝を含め削って詰める」治療です。

例えは適当ではないかもしれませんが、「江戸時代の火消が火事が広がってしまうといけないので、火事が起きた周りの家を壊した。」みたいなものです。

「予防」は「予防」でもずいぶん違います。

今では、「できるだけ健全な歯質は残し虫歯部分を必要最小限削る」治療が主流になっています。

そして、昭和の時代では、「虫歯はできてしまったら必ず進むので早く見つけて治療をする」→「早期発見、早期治療」が当たり前でしたが、現在では、口腔衛生環境を整えれば初期虫歯は進まないことが多く、また、再石灰化により元に戻ることがあるため「早期発見、早期予防」の時代となっています。

削った歯は、二度と元に戻りませんが、初期虫歯は、元に戻る可能性があります。

 

「予防に勝る治療は無い」と考えています。clover

蔵前ジェイエムビル歯科医院

院長 野崎康弘

 

 

 

投稿者: ジェイエムビル歯科医院

2019.04.05更新

当院の近くの隅田公園の桜も満開でよい季節になりましたが

皆様、いかがお過ごしでしょうかflower

最近、作成の要望が多いマウスピースのについてお話しします。

 

写真は、先日、当院で作成しましたプロボクサーのマウスピースです。

わかりにくいかもしれませんが、歯に当たる面には衝撃吸収のための素材が入っています(グレーに見える部分)。

デザインも選手の希望で作成しています。(使用選手本人曰はく、カッコいい!と喜んでいただきました!)

使用した感想は、まだ、ヒアリングしていませんが、強い衝撃でも簡単にに外れることはないそうです。(メーカー談)

プロボクサーに作成したマウスピース

この他にも、野球選手など飛距離アップのためにバランスをとるためのものや、歯科治療用としては顎関節症用、歯ぎしり用、ホワイトニング用などがあります。

 

蔵前ジェイエムビル歯科医院

院長 野崎康弘

投稿者: ジェイエムビル歯科医院

2019.02.20更新

「疲れると歯茎が腫れるんです・・・治療してかぶせて1年たっていないんです・・・何回か治療しているんです。半年くらいかけて治したのに・・・時間も費用も無駄でした!」unと転院での初診の患者さんです。

今回の歯ぐきが腫れる原因の鑑別には、歯周病と根尖性歯周炎(主に神経をとってある歯に起きるもので歯の根の先端が化膿する病気)そして、歯根破折の診断が必要になります。

患者さんの許可を得てレントゲンを撮影しました。

歯周病は、歯を支える骨がなくなる病気ですので、多くの場合レントゲンで診断ができます。骨は吸収していませんでしたのでは歯周病ではありません。

残りは、2つの診断です。

根尖性歯周炎では、根の先端に黒い影が映ります。但し、治療を終え日が浅いときは、完治途中で黒い影が映ることがあり診断が難しくなります。中には、数年たっても影が消えないことも珍しくありません。わかりやすく表現すると根の先に陰影があっても病気とは限らないという事です。

歯根破折の場合の初期段階では、同様の映り方をすることがあるので慎重に診断することが必要です。

根尖性歯周炎か歯根破折か診断がつかない場合は、確定診断できるまで(レントゲンで破折線が確認できるまで)経過を見るか、根尖性歯周炎と仮定し治療を行い、結果として腫れが引けば事後診断として「根尖性歯周炎」。

腫れが引かない、或いは、一度腫れは引いたが治療が完了したのち腫れてしまう場合は「歯根破折」と診断するしかありません。

歯医者泣かせとも言えます。nnn

ここで問題となるのは、治療を終えてかぶせたのにすぐに腫れてしまう場合、患者さんは、治療に疑問を持ちますので、医院を変えるケースが多いという事です。

また、同じ治療を繰り返し色々な医院で行っていることもあります。今回の患者さんも3回過去に違う医院で治療したそうです。

患者さん曰はく「私、歯科難民状態です」とお話しされお困りの様子でした。

患者さんには、次のようにお話しさせていただきました。

前医先生の根の中の治療は問題ありませんので、過去に3人の先生が治療して治りきらないのであれば、おそらく私が再度治療しても同じ結果になると思われ、歯根破折の可能性が高い。抜歯も治療の選択肢であること。(以前、記載しましたがダメな歯を無理やり残すことは、治療ではないと考えています。もちろん歯を残すことは大切であると思いますが・・・)

患者さんは「抜歯ですか・・・何とかなりませんか・・・」とため息です。

 

治療希望で、セカンドオピニオンの患者さんではありませんでしたが、大学病院の受診検討をおすすめしました。

 

治療は、患者さんご自身が納得したうえで開始します。clover

蔵前ジェイエムビル歯科医院

院長 野崎康弘

 

 

投稿者: ジェイエムビル歯科医院

2019.01.22更新

猛威を振るうインフルエンザ・・・皆さんは、大丈夫でしょうか?abon

ご覧になった方もいると思いますが、朝のTV番組でインフルエンザの予防について内科医師がコメントしていました。

MC「インフルエンザの患者さんを診察しているのに、何故、先生は感染しないんですか?」

DR「診察時にマスクをすること、こまめに交換すること・・・一日10枚くらい変えます!そして、手洗いの励行です。」

MC「診察時以外で普段気をつけていることは?」

DR「ドアノブや取っ手を指先でなるべく触らない、電気のスイッチは、指先で触らないで、指の関節を使ってON・OFFすをする。多くの人が触るところはウイルスが多いんです。指先で触ってしまったら、手を洗います。」

MC「そこまでするのですね!私は、普段のマスク、帰宅時のうがいくらいかな…あとは予防接種!」

DR「うがいは大事です!感染の経路は口腔ですから歯磨きも大切です!私は、一日5回磨きます!」

 

このようなやり取りがありました。

また、この医師のコメントの中に「老人福祉施設で口腔ケアを励行したところ、約30%のインフルエンザの罹患率の減少が見られた(何回磨くかは話していませんでした)」と口腔ケアの重要性についてのものがありました。

個人的な感想ですが、歯科医師以外のDRがTVで口腔ケアの重要性を話すのは珍しく思いましたので、今回「院長の歯科教室」に書かせていただきました。

 

では、歯医者的な視点からのインフルエンザ予防を考えてみました。

・「ブクブクうがい」→「ガラガラうがい」の順でうがいする。いきなりガラガラうがいをすると口腔内のウイルスをのどに入れてしまう事になるためです。これは、誤嚥性肺炎防止対策としても有効です。

・インフルエンザの流行時期前に大きな虫歯の治療は、終えておく。虫歯の穴の中は、ウイルスの住処になりやすいと考えます。

上記は、あくまでも私見です。

 

口腔ケアも「インフルエンザの予防」に一役ですclover

蔵前ジェイエムビル歯科医院

院長 野崎康弘

 

投稿者: ジェイエムビル歯科医院

2019.01.07更新

「治療を終えた筈の歯がしみる!」

先日、セカンドオピニオンでお見えになられた患者さんのケースです。

「3か月ほど前に虫歯治療をして詰め物を入れた歯が、治療前から少ししみていたのですが、治療直後から更にしみるようになった」との事で、現在通院中の医院より紹介状とレントゲンのデータをお持ちになりお見えになりました。

口腔内とレントゲン所見上、異常はなく、前医の診断と同じく「しみるが異常はないので、歯の中の神経が上手く反応するとしみるのが止まる可能性があるので経過観察。」とお話しし、前医院にお返ししました。

但し、今回のケースでは、日常生活に支障をきたす程しみるようになる、或いは、痛くなる場合は歯の神経をとることもありますので、長期的な経過観察が必要になります。中には年単位で経過を見ることもあります。

ところで、何故、治療を終え虫歯は治ったのにしみるのでしょう?

可能性としては、次のようなことが考えられます。(私見です。)

1.もともと知覚過敏のある歯で、治療して神経に刺激が加わったことにより生理的防御反応として知覚過敏が強くなった。

2.虫歯がかなり深く、治療した詰め物を介し熱伝導などで神経が刺激されている。

3.歯ぎしりなどの外力

今回のケースは、治療後の不快症状ですが、歯は、生きていますので虫歯でなくても生理的にしみることもあります。

わかりやすく表現すると「悪くないのにしみることもある。」ということになります。ihi

 

蔵前ジェイエムビル歯科医院

院長 野崎康弘

 

投稿者: ジェイエムビル歯科医院

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