毎日暑い日が続きますが、皆さん体調の管理は上手にできていますか?
暑くなり、体力を消耗する時期になりますと慢性的に炎症を持っている親知らずの痛みで来院される患者さんが多くなります。
今回は、珍しい親知らずについてケースをお話しします。
私自身も初めての経験です。
3か月ほど前から下の親知らずがあった場所から出血と腫れを繰り返すとのことで来院された患者さんです。
この患者さんとは、十年来のお付き合いになり、定期メインテナンスも必ずお見えになる方です。
ご本人曰はく「腫れている部分の親知らずは、30年ほど前に大学病院でかなり苦労して抜きました」とのことですが、「もしかすると親知らずが歯茎の中に残っているかもしれないので・・・」レントゲンを撮らせていただきました。
腫れている部位の歯茎の中に何かあるように見えましたが、私の経験上でも何があるのかはっきりしませんでした。
歯茎を切開して見ないと親知らずかどうかもわかない状況でしたので処置をお勧めしましたが「親知らずがあるなんてことありません・・・とっても苦労して大学病院で抜いたんですから・・・」とのことでしたので、投薬で様子を見ることにしました。
一度は落ち着いたものの2カ月ほどたち、今度は同じ部位から膿が出るとのことです。
珍しいケースですので、当院で口腔外科を担当している専門医に任せることにしましたが、専門医が見てもレントゲン所見は、首をかしげる様なケースです。
普段、大学病院に在籍している口腔外科医である旨を説明し、切開し歯茎の中を探ることを了承していただき処置を行いました。
歯茎の中には、半分に切断されたグラグラになった親知らずが見つかり摘出しました・・・患者さんと口腔外科医と私で「まさか!」ですね・・・と顔を見合わせました。
処置を終え患者さんは「原因がわかって良かったです。抜いたはずなんですけどね・・・」とお話しされました。
診断がつきにくい場合、複数の歯科医で考察する事が大事であると思わされる症例でした。
診断がつきにくい場合、一歩前に進むことも大切です
蔵前・浅草橋ジェイエムビル歯科医院
院長 野崎康弘
2017.07.19更新
親知らずが見つかった!
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