「歯を抜かない歯医者は、良い歯医者である」と思いますか?
この質問にほとんどの人が「ハイ!」と答えると思います。
私見を申しますと「抜くべき歯を抜かないのは、良い歯医者ではない」と思います。
先日、次のような患者さんが、転院されてきました。
患者さん「先生、かかりつけに外れたかぶせ物をつけてもらったんですが、痛くて噛めないんです!それも四日連続で外れて、毎日通ったんです。かかりつけの先生には、根っこが折れているがまだつけられるから・・・と言われて・・・今日また外れてしまい、痛みもひどく我慢の限界です!この歯は、残しておいてよいのですか!5年前からすっと噛めないんです!」
私「レントゲンから判断すると、歯を残してくれたかかりつけの先生には、申し訳ないのですが、抜歯するしかありません。私のところで治療をする場合は抜歯しますが、よろしいですか?」
患者さん「ハイ、お願いします。どうせダメなら5年間我慢せず早く抜いておけばよかったです。」
皆さんこの会話をどのように思いますか?
私は、抜歯すべき歯を無理に残す事は、治療ではないと考えます。もちろん患者さんが「どうしても抜かないで」という事であれば、抜くことはしませんし、患者さんの了承を得てからすべての治療を行います。歯を残しきるため、残せる可能性がある歯へは、根管治療をはじめあらゆる手段を投じますが、今回の例では、残せない歯を残したことで治療が後手になってしまったように思います。
もちろん、私も「歯を抜かない歯医者は、良い歯医者」であると考えています。
良い状態で歯を残すことは大切です!
蔵前・浅草橋ジェイエムビル歯科医院
院長 野崎康弘