先進国の中で日本人の虫歯は多いほうなのでしょうか

私の経験上のお話ですが、私が勤務医時代の25年前は、虫歯の洪水のような状態で痛みを抱える患者さんで待合室はあふれ、ひたすら歯を削る時代でした。

予防歯科がなかったわけではありませんが、患者さんも歯に無頓着な方が多かった記憶があります。
私が実際にとてもショックだったのが・・・・
歯周病の患者さんに歯磨き指導をしたところ「私は、歯磨きを習いに来たのではない!早く治療進めて!」と言われたことです。

当時は、これが当たり前の時代だったのかもしれません。
時代は変わり今では虫歯はかなり減りましたが、先進国の中では、まだまだです。
特に国策で「虫歯のない国」を掲げたスウェーデンでは、妊娠と同時に虫歯予防が始まり、赤ちゃんが生まれると歯が生えないうちから歯磨きになれる訓練を行います。
虫歯の多い子供は、育児放棄などの虐待が疑われるほどなのです。

では、なぜ予防歯科が北欧諸国で浸透したのでしょう?
ご存知の方も多いかと思いますが、北欧では、歯の治療に保険はありません。
虫歯になったら高額な治療費を払わなければならず、虫歯にならないための予防治療が主流になったのです。
日本は、保険で歯の治療が受けられる安心感から歯を大事にする意識が北欧より薄いと言えるかもしれません。確かに日本ほど質の良い歯科治療が低い治療費で受けられる国は、他にありません。
これからも当院では、虫歯のない国を目指し予防を推奨していきます。

蔵前・浅草橋ジェイエムビル歯科医院
院長 野崎康弘