アレルギーとは、本来、外敵から体を守るための免疫機能が過剰になり、自分自身を傷つけてしまう反応です。
軽度~重度の様々なものがありますが、今回は、歯医者で起こりうる可能性があるもので、重度のもの「アナフィラキシーショック」にフォーカスしたいと思います。
では、どの様なアレルゲン(アレルギーの原因)が考えられるのでしょう
食べ物や飲み薬など多種多様の原因があり、特定するには、アレルギーの検査が必要になりますが、通常、検査を受けた方のほうが少なく、症状が出てからわかる事も少なくなく、偶発的にわかる事もあります。
しかし、「アナフィラキシーショック」は、発症すると5分程度で心肺停止に至る事もあり、発症した時は迅速な対応がなされなければなりません。
特徴的な症状は、
1、皮膚症状として
蕁麻疹・発赤・かゆみ
2、粘膜症状として
瞼の腫れ・唇の腫れ・口の中の粘膜の腫れ
3、呼吸器症状として
息切れ・異常な呼吸音(風切音)→気道に浮腫が出来てしまい窒息に至る事もあります。
4、消化器症状として
下痢・嘔吐・腹痛
5、全身症状として
血圧低下・意識の消失
などが挙げられます。
緊急対応は、アドレナリンの筋肉注射が功を奏します。
「アナフィラキシーショック」は、一刻を争いますので、アレルギーの既往がある方は、事前に対策を取る事が大切です。現在、保険適応でアドレナリンの自己注射キッドが処方が可能になり、緊急時は、ご自身で注射する事も出来ます。
歯科治療中の「アナフィラキシーショック」の報告は、ほとんどありませんが、術後の内服薬ではありますので、治療に際しては、担当医にアレルギーの既往をあらかじめ伝える事が肝要です。
歯医者では、色々な薬剤を使いますので事前の問診でアレルギーの既往のあるものは、当然ですが避けて治療に当たります。
薬剤以外のアレルゲンとしては、治療用のラッテクッス手袋が挙げられます。天然ゴムが主原料のラッテクスグローブのアレルギーは、製造過程後の水溶性タンパク質によって引き起こされますが、医療用のものは基準値が設けられ、それを下回るもののみが使われます。
しかし、アレルギーの感作は、個人差がありますので発症する可能性はありますので、やはりラッテクッスアレルギーの方も漏れなく担当医に伝えなければなりません。
歯医者の大部分は、ラッテクッスグローブを使用しています。これは、他の素材より素手感覚に近いため、綿密な作業に適しているからです。私の医院では、対策としてラッテクッスフリーのニトリルやビニルグローブとラテックスグローブを使い分けて対応しています。
※水溶性蛋白の含まれるバナナやキウイなどのフルーツでアレルギーのある方は、ラッテクッスで感作する確率が高くなります。
アレルギーは、確実に担当医に伝えることが必要です
蔵前 ジェイエムビル歯科医院
院長 野崎康弘
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