
「この歯は、神経がないから歯を抜くときも痛くないんですよね!」

よく患者さんが口にする言葉です。ちなみに神経の有無は、抜歯の痛みとは無関係です!
虫歯が大きくなり、歯髄(神経)中に虫歯菌が入り込むと夜も眠れないほどの痛みを伴います。
この場合、生き返る事のない神経を取り除くことになります。
当然のことながら、神経という感覚の受容器が無くなるので、
多くの方は、「神経を取ったのだから、ピッタリ痛みが止まるはず」と考えがちです。
実は、歯の中の神経は、三叉神経と呼ばれる脳神経の一部に過ぎず歯の周りには、網の目のように神経がはりめぐらされています。
歯の中の神経を取り除く治療が成功したとしても、もし、歯の外側に虫歯菌が出てしまうと歯の周りの神経の防御により痛みや違和感が長引くこともあります。
この様なケースでは、「治療が失敗したのでは?」と心配されるかもしれませんが、時間をかけてゆっくり快方に向かいますので、安心して治療を受けて下さい。

神経の治療は、目で見えない作業で指先の感覚を頼りに行う、われわれ歯医者にとって難関の一つです。

神経を取った歯が、数年後に痛くなった経験のある方もいると思います。こちらは、根尖性歯周炎と呼ばれ神経を取った歯かかるもので、神経を取る段階ですでに菌が歯の外部出てしまったケースに多く見られます。
また、噛み合わせのずれや歯ぎしりも影響すると考えられます。こちらは、根の中の再治療が必要ですが、状況によって抜歯になることもあります。
いずれにしても、神経を取る事は、歯の寿命が短くなる事につながります。
歯の神経は、歯を守るための大事なものです!定期健診で歯を虫歯菌から守りましょう!

蔵前 ジェイエムビル歯科医院
院長 野崎康弘