
私が歯医者になった25年前、勤務していた歯科医院は住宅街にあり、とても多くのお子さんが来院する診療所でした。一日30名ほど拝察していましたが、学校健診の時期になりますと大人は一日1~2人で他はすべて小学生以下のお子さんという日もありました。
こん日では、虫歯があったとしても簡単に詰める治療や虫歯の進行止めを塗ったりという治療が殆どですが、当時は、そうではなく乳歯に大きな虫歯があり、神経を取らなくてはいけなっかったり、生え変わりの時期でないのに乳歯を抜歯したりとお子さんにとても負担が大きい治療が多かったのを記憶しています。
私が経験した神経を取る治療の最少年齢のお子さんは、2歳半です。
夜中痛がり、母子ともにほとんど寝ていないとのことで、お口の中を見ますと、下の奥歯に神経まで達する虫歯がありました。

この痛みは、歯の痛みの中でも横綱級です。
スタッフと3人がかりの治療でした。
次の予約の時は、きっと泣いて診察室には入らないだろう・・・と思っていましたが、私の顔見るとなんと抱き着いてきました。
それから毎回治療が完了するまで私と手をつないで診察台に向かうようになり、お母さんも「この子、歯医者が好きみたいです。」とお話しされました。頑張って治療してよかったと思う瞬間でした。
しかし、出来れば予防を徹底し、お子さんの負担になる大きな治療は、避けなければなりません。
先日の文部科学省の2014年学校保健統計調査で
中学1年生の虫歯本数は、ひとり平均1本で30年前の5分の1である事が分かりました。
さらに、治療の済んでいない要治療歯のある割合も幼小中高で過去最低となりました。
これは、保健所などの行政と歯科医師会、学校歯科医会、衛生士会の先人たちが予防指導を徹底してきた結果と思います。

私も微力ながら今後も地域歯科保健活動に協力していきたいと思います。力を合わせ目指すは、「虫歯ゼロ」

虫歯と戦います!

蔵前 ジェイエムビル歯科医院
院長 野崎康弘
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