
こちらの訴えの方は、痛みがないので様子をみていたが、最近、歯が浮いたような痒いような違和感が出てきて、できものが大きくなるとご自分で潰していたそうです。
半年以上もこの状態が続いていたそうで、「がん」などの悪性のものではないかと心配になって来院されました。治療した歯は、20年くらいたっており銀歯が装着されています。
この様なケースでは、次のような色々な原因が考えられますので、まずは、レントゲンでの診断が必要です。

1、歯周病
2、歯根嚢胞(しこんのうほう)→過去に神経を取った歯根の先に膿がたまる病気(顎の骨の中に膿の袋をつくります)
3、歯の根が割れている
1~3は、とてもよく似た症状ですが、治療内容も異なりますので正確な診断が必要です。
歯周病の治療については、HPの歯周病と予防のページをご覧ください。
歯根嚢胞については、根管治療という根の中の細菌を取り除く治療を行いますが、大きくなってしまった歯根嚢胞は、根管治療では治らない場合もあり、外科的に歯肉を開き顎の骨から取り出す手術を要することもあります。
また、手遅れになると抜歯に至ることもあります。そして、歯の治療の中で最も治りにくい病気で治療が長期に及ぶことが多くみられますが、嚢胞が小さければそれだけ治療回数が少なくて済む確率が高くなりますので、早めに発見することが大切です。
歯根破折については、抜歯になるケースがほとんどですが、大臼歯と呼ばれる奥歯は、根が複数本ありますので部分的に悪くなった根だけを抜いて残りの根が残せることもあります。

歯根嚢胞と歯根破折の鑑別において、初期の破折の場合とても分かりにくいものですがレントゲンでの的確な診断が必要です。また、歯根嚢胞が出来たので歯の根が折れたりする可能性は非常に低いものです。
歯肉の病変は、小さいうちは見逃されがちですが、進行すると大きな治療が必要になることがありすので、早期発見・早期治療が大切です。
定期健診で病変は、発見できます。

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蔵前 ジェイエムビル歯科医院
院長 野崎康弘