高齢化社会といわれ久しくたちますが
我が国の高齢化率は、現在も伸びています。
医療の進歩の賜なのですが、問題は、「健康寿命」と「生涯寿命」の差が約10年あるということです。
言い換えると、床に伏した状態でその年月を過ごさなければならないということです。
介護予防を歯科の観点から考えて見たいと思います。
介護予防とは、介護状態にならないよう日頃から予防をすることです。
歯の予防で皆さんご存知の「歯磨き」が介護予防に有効です。
「歯磨き」が介護予防と何の関係が?と思われるかもしれませんが・・・
実は、10年以上前からの介護予防に口腔ケアが重要な役割があることが分かっています。
お口の中を刺激することで、認知機能低下の予防や咀嚼機能低下を防止できる可能性があります。
ある地区の老人ホームで口腔ケアの専門家が介入し、口腔ケアと口腔体操を行ったところ肺炎の発症率が激減した事実があります。
ご存知の方も多いかもしれませんが、死因の第三位は肺炎です。そのうち約半数がお口の中の汚れが原因の誤嚥性肺炎であると言われています。
誤嚥性肺炎の原因には、どのようなことが挙げられるのでしょう?
一つは、不十分な口腔ケアです。
ご高齢になると色々な病気が原因で手が不自由になったりお口の動きが悪くなったりする場合があります。
また、慢性的な膝や腰の痛みから動くのが億劫になり、長年の習慣であった歯磨きが疎かになることも珍しくありません。
そして、在宅で寝たきりの方では、数か月間歯磨きなどの口腔ケアをしていないケースも見られます。
もう一つは、嚥下機能の低下です。
食べ物をむせてしまい飲み込めないない。食後しばらくしてからせき込んでしまう。その他にも色々なサインがあります。
こうした方には、お口のリハビリが有効です。
体のリハビリが介護予防に大切なのは知られていますが、お口のリハビリもとても大事です。
あまり知られていないかもしれませんが大学病院にも口腔リハビリテーション科があります。
現在、台東区では、三ノ輪口腔ケアセンターが在宅相談や介護予防相談の窓口になっています。
当院も連携していますのでお困りの方は、ご相談下さい。
お口のリハビリで介護予防!
蔵前・浅草橋ジェイエムビル歯科医院
院長 野崎康弘