高齢化社会と呼ばれ暫く経ちますが
今後も更にこの現象は加速しします。
当然の事ですが、ご高齢になりますと色々な病気にかかる確率が高くなります。
そこで今回はトレーニングやリハビリが必要な病気について考えたいと思います。
代表的なものとして脳卒中・脳梗塞などの多くのケースで麻痺の後遺症を残してしまうものがあります。
皆さん、体のリハビリは急性期を過ぎてから行い動かない体を動くようにすることはよく知られています。
実は、体の麻痺と同じくお口の中や喉も麻痺を起しています。
先日、とある先生のセミナーでその先生の経験やお口のリハビリについてのお話を聞く機会がありました。
今から20年ほど前に初めてリハビリ病院の歯科を担当する事になったそうです。
今でこそ当たり前になりつつある歯磨きが出来ない方への歯科医師・歯科衛生士の口腔ケアですが、
当時は医者や看護師も口の中を見るという習慣がないのと口と身体を別のものと捉えていたようです。
体のケアやリハビリは行うが口の中は野放し状態・・・数か月間歯磨き行っていないことなど当たり前のようにのあったそうです。
そこで、目にした光景は、口の中には歯垢と歯石が溢れ、これを取り除くと歯ぐきからは少し触れるだけで出血する状態、特に麻痺側ではこの傾向が顕著に現れてしまいます。
これでは、食事をしても血の味しかしない食欲が低下し全身状態の回復は望めない・・・ということでまず口の中をきれいにすることから始めなければならなかったそうです。
そして、病棟で地道に口腔ケア行った結果、肺炎で亡くなる方が激減したそうです。
この先生の経験談をもう少し記載したいところですがスペースに限りがありますのでお許しください。
現在、私が訪問する老人ホームでは、衛生士が定期訪問し介護職員が毎食後口腔ケアを行っています。(介護職員の方々は、研修を受け非常によく勉強されています。)
これにより誤嚥性肺炎は激減し多くの命が救われています。
お口のリハビリについてですが、簡単な方法としては、歯ブラシの背の部分で麻痺側の頬や口角を広げたりする事でも口を動かす筋肉が活性化され動きやすくなります。
実際に、私の医院に通院されている脳梗塞の後遺症で食べ物が麻痺側からこぼれてしまう方にご自宅で毎日実践していただいたところ回復し、普通に食べられるようになったことがあります。
他にも、色々な方法がありますのでお困りの方は、かかりつけの歯医者に相談するとよいかと思います。
お口は健康の入口です。
蔵前 ジェイエムビル歯科医院
院長 野崎康弘
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