今回は、鑑別診断が難しい歯の痛みについてお話しします。
先日、次のような患者さんがお見えになりました。当方にメインテナンスに長年通われている方です。
患者さん「昨日の朝から、両側の奥歯が痛く頭痛もします・・・こめかみ辺りが痛くて・・・」
私「噛むと痛みますか?冷たいものとかしみますか?」
患者さん「いいえとにかく痛いんです!先月、定期検診したばかりなのに、短期間に虫歯になったて事ですかね・・・この銀歯が痛い感じです!外して見てもらえませんか!」
私「ちょっと待ってください!削った歯は、元に戻りません!見た目は虫歯はないので、レントゲンで確認させていただけますか?」
患者さん「お願いします」
レントゲンを見ながら
私「虫歯ではありませんね」
患者さん「・・・」
私「改めて伺いますが、しみるとか噛むと痛いわけではないのに歯が痛いという事ですよね」
患者さん「たぶん・・・」
私「もしかするとお仕事の忙しい時期ではありませんか?」
患者さん「ええ、徹夜の日もあります」
私「ストレスによる噛みしめによって、側頭筋(こめかみにある噛むときに使う筋肉)が疲労し、筋肉痛様の痛みが出ていると思われます。再度確認ですが、本当に歯が痛みますか?」
患者さん「んー・・・そういわれると自信がないな・・・」
私「痛みを緩和させるお薬を3日分処方しますので、様子を見てください。明日、痛みが変わらなければ、もう一度確認しますのでお見え下さい」
この患者さんは、1か月後のメインテナンスにお見えになり「翌日から、痛みはなくなり、その後は、問題ない」との事です。
鑑別診断の難しい一例です
蔵前ジェイエムビル歯科医院
院長 野崎康弘