今回は、前歯の被せ物を例としてお話します。
私とある患者さんのやりとりです。
患者さん「前歯の差し歯って高いって聞いたけど、いくら位?」
私「結構します!〇〇万円からです。」
患者さん「じゃあ一生持つんですか?」
私「人工物ですので、一生持つ確率は極めて低いです。」
患者さん「じゃあ、保険でいいかなあ・・・でも保険だと五千円くらいなんでしょう!どうしてそんなに違うのですか?」
私「保険治療では、主に吸水性のあるプラスチックが使われ、経年的に汚れが着き易くなり、変色します。また、技術的に細かな色の再現が難しい材料です。それに比べて保険外のセラミックやジルコニアは、汚れが着きにくく天然の歯と区別が着かないほどの色調の再現が出来ます。そして、変色しません。」
患者さん「保険の歯を入れといて変色いしたら、もう一回保険の歯を入れかえてて治療を繰り返すのが得ですよね!」
私「確かに、金額的にはそうかもしれませんね。」
患者さん「やっぱり先生もそう思うでしょう!」
私「〇〇さん、汚れが着きやすい材料は、被せ物と歯との境目や隣の歯が虫歯になり易かったり、歯周病の発生率が高かったりと経年的に色々変化が起こる確率が高くなります。良い材料は衛生面で優れ、歯を守ってくれます。」
患者さん「そうなんだ~!考える余地はありますね・・・」
私「費用は、決して無理に捻出しないで下さい。
保険でも機能回復は出来ますので・・・私は、いつも患者さんに共通のお話をしています。
保険外でも一生もつ事はないと思って下さい。お口の中は一人ひとり違いますので保険外材料の方が長く持つとは限りません。
かけた金額は、十年間で消費すると思えれば、もったいなくはないと思います。
保険材料と保険外材料が同時に同じ条件で脱落した場合、歯が良い状態で維持されているのは、保険外材料なのです。」
※写真は、上前歯をジルコニアで治療した例です。(保険外治療)
患者さんの許可を得て載せています。
この様な会話がよくありますが、歯は一生の財産ですので治療しないで済むのが一番です!
予防に勝る治療はないと思います。
ジェイエムビル歯科医院
院長 野崎康弘
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